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―眼を開いた時、彼の眼に飛び込んできたものは満天の青空だった。 青空・・・? バカな・・・オレはさっき死んだハズだ 延髄を「ブッ刺されて」よォォ・・・! そうだ、覚えている・・・奴らの『覚悟』に負けたことを 「―何だァ~?・・・っつーことはよォォ・・・ ここは天国・・・いや 地獄ってわけかァ?」 爆風の中から現れた男はよく解らないことを呟いている。それを認識したルイズは、しかしその認識を疑わざるを得なかった。 爆風の、中から、現れた、男? 男・・・つまり人間。人間・・・つまり? 現れた男は・・・どうみても貴族には見えなかった。つまり。 平民。平民を召喚してしまった。 「冗談でしょ・・・?」愕然として呟くルイズに、周囲から更に追い討ちがかかる。 「あいつ、平民を召喚しやがった!」 「サモンサーヴァントで平民を召喚するなんて聞いたことないぜ!」 「流石はゼロのルイズ!俺たちに出来ないことを平気でやってのけるッ!」 「そこにシビレないし憧れもしない」 しかしルイズはそれに怒るどころではなかった。強くて美しい使い魔を召喚すれば、散々自分を バカにしてきた奴らを見返すことが出来る。家族に胸を張って会うことが出来る。 彼女はそれを期待していたし、自分ならきっと召喚出来るという根拠の無い 自信もあった。それが、こんなヘンな髪型の平民を召喚してしまうなんて! ―とりあえず、彼は状況を把握することにした。 「城・・・いや砦か?よくわからねーが・・・ここはその中庭って所か? いよいよ天国じみてるじゃあねーか!ええおい?」 そこまで考えて彼は前方を見る。ド派手な髪の少女がそこに立っていた。 「・・・天使にゃあ見えねーな」 そして彼はふと思いつく。もしかしてこれはスタンド攻撃ではないか?既に死に体だったはずの自分をわざわざ攻撃してくる理由など無いとは思ったが、警戒するに越したことはないと彼は判断した。 ルイズは覚悟を決めて―というよりは全てを諦めて―男に話しかけた。 「・・・あんた、誰?」 ドグシャアア!! 言い終わる間もなくルイズは首根っこをつかまれ、そのまま地面に叩きつけられた。 「いっ・・・!!な・・・何をするのよ!貴族にこんなことをしてただで済むと・・・ 痛ッ!?」 叩きつけられたものではない―焼け付くような擦り切れるような名状しがたい痛みを感じて、ルイズは首をつかんでいる手を見る。 「何よこれ・・・ まさか・・・魔法・・・!?」 男の手を中心に、ルイズの体は首から胸にかけて完全に凍っていた。 「ここはどこだ?てめーはオレに何をした?3秒で答えな・・・首をブチ割られたくないならよォォ」 ルイズは一瞬で理解した。冗談で言っているんじゃあない、こいつの眼にはやると言ったらやるスゴ味がある! 「こっ、ここはトリステイン魔法学院で!あんたは私が召喚したのよ!!」 ・・・ 数瞬の沈黙が流れ。 「魔法だと?てめー・・・イカレてるのか?それともバカにしてんのかァァ~?」 「う、嘘じゃないわ!ここはトリステイン王国のトリステイン魔法学院であなたは私が サモンサーヴァントで召喚した使い魔なの!!」 「・・・つまり ここは魔法の学校で てめーはオレを魔法で呼び出したってワケか?ガキ」 「そっ、そうよ!解ったのなら早く手を―」 「・・・ブチ・・・割れな・・・」 「なッ!?」 尋問は失敗、このガキは死んでもオレに何かを喋る気はねーらしい。男はそう判断したようだった。しかし首に力を入れようとしたその時、男の鼻先をかすめてサッカーボール大の火球が地面に激突した! 「何だァァ~?スタンド攻撃かッ」 男が火球の射出地点とおぼしき場所に眼を向けると・・・そこには燃えるような長髪の少女がいた。 「何だかよく分からないけど・・・あなた、その子から手を放しなさい!さもないと容赦しないわよ!」 「キュ・・・キュルケ・・・」 バッ! 「容赦しねェだとォォ~~?なめてんのかァーーッこのオレをッ!!」 男がルイズを投げ捨てて立ち上がると、その体からは壮絶な冷気が噴き出しはじめた。 「いいだろう てめーら全員氷づけにしてからゆっくり尋問するのも悪かねーッ」 そして男は自らの力を―スタンドを、発現させる。 「ホワイト・アルバムッ!!!」 戻る 次へ
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編集 ゼロの使い魔 ゲーム PS2 ゼロの使い魔 小悪魔と春風の協奏曲 2007年2月15日発売 ゼロの使い魔 小悪魔と春風の協奏曲 公式サイト ゼロの使い魔小悪魔と春風の協奏曲(コンチェルト)初回限定版 ゼロの使い魔小悪魔と春風の協奏曲(コンチェルト)通常版 ゼロの使い魔小悪魔と春風の協奏曲(コンチェルト)Best Collection PS2 ゼロの使い魔 夢魔が紡ぐ夜風の幻想曲 2007年11月29日発売 『ゼロの使い魔~夢魔が紡ぐ夜風の幻想曲~』の発売を記念して二人からのメッセージ 2007年12月12日現在配信中を確認。 ゼロの使い魔 夢魔が紡ぐ夜風の幻想曲 公式サイト ゼロの使い魔 夢魔が紡ぐ夜風の幻想曲(ファンタジー)(限定版) ゼロの使い魔 夢魔が紡ぐ夜風の幻想曲(ファンタジー)(通常版) PS2 ゼロの使い魔 迷子の終止符(ピリオド)と幾千の交響曲(シンフォニー) 2008年11月6日発売 ゼロの使い魔 迷子の終止符と幾千の交響曲 公式サイト ゼロの使い魔 迷子の終止符と幾千の交響曲(限定版) ゼロの使い魔 迷子の終止符と幾千の交響曲(通常版)
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『キュルケ怒りの鉄拳 その1』 数時間後、部屋に戻るとルイズは床についていた。 ベッドの上には、おそらく「サモン・サーヴァント」にまつわる本だろう、 数冊、数十冊の書物が雑然と積み重ねられ、 その間に挟まるようにして仰向けに倒れていた。 途中で力尽きてしまったか。ランプはつけっ放し、服さえ着替えていない。 ルイズはルイズで大変そうだったが、 ドラゴンズ・ドリームにもやらねばならないことがある。 ひそひそと囁かれる陰口、品の無い馬鹿話、シュールなジョーク、 教師のぼやき、とりとめの無いおしゃべり、思わず出た独り言。 これら各所で盗み聞きしたものに各人の吉凶とパーソナリティーを加え、情報収集は概ね完了した。 あとは集めた情報から取捨選択を繰り返し、必要なもののみを取りまとめ、現況を知ろうとはかる。 ここはハルケギニア大陸のトリステイン王国であり、この学校はトリステイン魔法学院である。 宗教学校ではなく魔法学校だったというわけだ。 空を飛ぶのも魔法、火を出すのも魔法、ページをめくるのも魔法。 便利なものだ。その調子でスタンドも見つけてほしい。 ここで魔法を学ぶものは例外なく貴族である。 ビッチ系ビッチとは一線を画す何かがあるとは感じていたが、貴族だったとは。 月明かりのベランダで恋人と差し向かいにワイングラスを傾けたり、 妖しげな仮面をつけて舞踏会で踊り明かしたりしているということか。 なかなか楽しそうではある。 魔法には様々な系統がある。 スタンドに近距離パワー型があったり遠隔自動操縦があるのと同じだろう。 ルイズは常に魔法を失敗する。 そのことからついたあだ名は、ゼロのルイズ。 エリートの中の落ちこぼれというわけだ。 落ちこぼれ以前の状態になってしまったドラゴンズ・ドリームは身につまされる。 ギーシュは皆に不幸を振りまく。 近いうちに何かが起こるはずだが、それが何かは分からない。 キュルケの活躍に期待しておくとしよう。 現在は新学期への移行期間である。 これは大して重要ではない。問題は次だ。 使い魔を召喚できなければ二学年へ進級することはできない。 キュルケの挑発、普段の魔法成功率、草原でのやり取り、その後のルイズ。 これらの事実から、ルイズはサモン・サーヴァントに失敗したらしい。 まだ留年が確定したわけではないが、チャンスは明日一日のみ。 挑戦だけなら何回もできるだろうが、時間的にも体力的にも限界がある。 まだ使い魔を召喚していないのはルイズだけではないし、 他の予定を押してまで個人を優先させるわけにもいかないだろう。 ルイズの焦燥感たるや並々ならぬものがあるはず。 主な情報は以上だ。 だが、他の人間が知らない、この学園の中ではドラゴンズ・ドリームしか知りえない情報もあった。 「実のトコよォ……ルイズは召喚成功してンじゃネェーの?」 本体を失ったばかりのドラゴンズ・ドリームが、あの草原にあらわれた。 泥棒のアンラッキーパーソンは、存在しないはずのルイズの使い魔だった。 ほんの少し、わずか、ちょっぴり、注意しなければ気がつかないほど微かだが、 他の人間よりもルイズを重視しているような気がしなくもない。 中立を旨とするスタンドとしては異例中の異例だ。 使い魔としての召喚がドラゴンズ・ドリームに作用しているとしか思えない。 使い魔は「サモン・サーヴァント」で召喚し、 「コントラクト・サーヴァント」で契約しなければ正式な使い魔として認められないらしい。 つまり、ルイズは召喚に成功したものの、 ドラゴンズ・ドリームが不可視だったゆえ存在に気づかず、 召喚は失敗してしまったのだと思い込んだ。 そのために「コントラクト・サーヴァント」をすっ飛ばし、 ドラゴンズ・ドリームは非常に中途半端な状態で漂っている。 「オレの方から契約スりゃイイッテことかァ?」 そうすればドラゴンズ・ドリームの立場は完全に固定される。 使い魔と主の間は強い絆で結びつき、 ルイズはドラゴンズ・ドリームの姿を見、声を聞くことができるようになる。 だがそう簡単に契約していいものだろうか。クーリングオフの制度があるとは思えない。 とりあえずメリットとデメリットを比べてみよう。 メリット。 ドラゴンズ・ドリームの存在を認めてもらえる。 話し相手ができる。しかもルイズだ。 能力を役に立ててもらえる。きっとルイズなら使いこなす。 ルイズがゼロと呼ばれることはなくなるだろう。喜ぶに違いない。 デメリット。 契約すれば、残り半生を使い魔として費やすことになる。 主人のため身を粉にして働かなければならない。 「スタンドなんだから当たり前ジャねェーの?」 ルイズの使い魔。本当にそれでいいのだろうか。 「ソリャいいダロ」 他の使い魔達が食堂や寝室には入れてもらえないところから察するに、 待遇的には奴隷か家畜、せいぜい愛玩動物だ。 「今まで通りッてコトネ」 確実に行動範囲が小さくなる。 「ヤッパ今まで通りダねェ……アレ? 悪くないンじゃネェーの使い魔」 契約の仕方は分かっている。お姫様とキスをすればいい。 ベッドの上のルイズはどことなく屈託のある様子で眠っていた。 夢の世界でも焦燥感と緊張感を感じ続けているのか。 白く柔らかそうな頬の上には涙の通った跡がある。 ドラゴンズ・ドリームはベッドの上まで浮遊し、真下を向いてルイズと顔を合わせた。 「……後で怒られタリしネェーヨナ?」 少し迷ったが、結局のところはルイズのためだ。 思い切ってルイズに向かう。 「……そういやオレファーストキッスダな」 あと三十センチ。二十センチ。十センチ。五センチ。 唇同士が触れ合う直前でルイズの口元が消し飛んだ。
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サムライ&ドラゴンズ セガがPlayStation Vita用に無料配信していたマルチプレイアクションゲーム(2014年7月サービス終了)。 キャラデザインを担当しているのは漫画家の柴田ヨクサル氏。氏は三国志大戦でカードイラストを手がけたこともある。 公式サイト サムライ&ドラゴンズ公式サイト Ver2.1でのイラスト担当 豊臣039/Rガラシャ 長宗我部026/R戸波親武
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ゼロの使い魔レビュー (ジャンル:ラブコメ、ファンタジー) 評価 点数の判定基準の意味はこちら ストーリー キャラクター 声優 グラフィック 14点 11点 23点 20点 合計68/100点 感想 所謂、男の為の萌えアニメ。と言ったところでしょうか。 この言葉を聞いた時点で駄目だと思った人は見ないほうが良いかもしれません(笑) 最初見たとき、ルイズと才人以外全然目立たなくなりそうだな、とか思っていたのですが、 予想とは違うストーリー展開で良い意味で裏切られました。 才人とルイズの掛け合いが面白い。掛け合い部分の演技力はとても素晴らしいです。 しかし、シリアス調の時に若干演技が微妙になる場面があった。残念。 最後の方は駆け足でしたが、1クールですし、まあ仕方ないですね。 アニメ公式サイト
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[2014/09/24 19 41] ゼロの使い魔F 第01話 「聖国のルイズ」 第02話 「水都市(アクイレイア)の巫女」 第03話 「無能王の乱心」 第04話 「女王陛下の恩賞」 第05話 「ド・オルニエールの乙女たち」 第06話 「波乱の露天風呂」 第07話 「砂漠のエルフ」 第08話 「逃亡の地下水道」 第09話 「タバサの戴冠」 第10話 「災厄の目覚め」 第11話 「ルイズの選択」 第12話 「ゼロの使い魔」 第01話 「聖国のルイズ」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm16630360 24 00 43 215 第02話 「水都市(アクイレイア)の巫女」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm16690878 24 00 71 191 第03話 「無能王の乱心」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm16748697 24 00 95 147 第04話 「女王陛下の恩賞」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm16809673 24 00 97 193 第05話 「ド・オルニエールの乙女たち」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm16871523 24 00 223 256 第06話 「波乱の露天風呂」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm16936195 24 00 124 224 第07話 「砂漠のエルフ」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm17004557 24 00 110 154 第08話 「逃亡の地下水道」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm17070933 24 00 157 128 第09話 「タバサの戴冠」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm17137429 24 00 211 182 第10話 「災厄の目覚め」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm17205926 24 00 107 147 第11話 「ルイズの選択」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm17273397 24 00 210 182 第12話 「ゼロの使い魔」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm17342323 23 45 201 57 sm17342404 23 45 181 36
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『ポケットモンスターブラック・ホワイト』より主人公(男、デフォネーム『トウヤ』) ゼロの使い魔BW-01 ゼロの使い魔BW-02 ゼロの使い魔BW-03
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autolink 【技名】 ドラゴンズ・レイ 【読み】 どらごんず・れい 【別名】 【大分類】 後方回転エビ固め 【中分類】 飛び付き後方回転エビ固め 【小分類】 ウラカン・ラナ・インペルティダ 【開発者】 ドラゴン・キッド 【得意とするレスラー】 【変形技】 【進化系】 【連携技】 【連絡技】 【類似技】 シクロン・ラナ 【反撃技】 解説 ドラゴン・キッドの初期のフィニッシュの一つ。ウラカン・ラナ・インペルティダの変形。ちなみにレイはハワイに見られる花飾りの事だと思われる。 コーナーポスト付近に立つ相手に向かって走り込む。 パサーダを仕掛けられる。 相手を飛び越え、コーナーポストに着地する。 相手に背を向けたまま飛びあがり、相手の方に座る様な姿勢で飛びつく。 そのままウラカン・ラナ・インペルティダを決める。 歴史 関連するリンク 名前 連絡事項
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MF文庫Jから刊行されている著者ヤマグチノボルのライトノベルシリーズ。 平凡な高校生・平賀才人がある日突然、魔法学院の生徒でありながら魔法の才能がまるで無い 「ゼロのルイズ」によって異世界「ハルケギニア」に召喚されてしまい、 ルイズに使い魔として使役されるはめになるというストーリー。 ちなみにルイズは才人を「犬」扱いする。 登場人物や物語内で発生する事件などは、多くを映画「三銃士」などの原作である小説『ダルタニャン物語』から取っている。 それゆえ登場人物名も、ブルボン朝期の人物にちなむものが多い。 関連用語 ルイズドラゴン
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「おい、起きな」 ガン!とルイズのベッドを蹴り飛ばす。しかしルイズは起きない。 ガン!もう一度、更に強く蹴り飛ばす。しかしルイズは目覚めない。 ドガン!更にもう一度、勢いをつけて蹴り飛ばす。しかしルイズは気付かない。 ベッドを蹴り飛ばしていた男の眼がスッと感情をなくす。 「クソガキ・・・このオレがわざわざ早起きまでして仕事をしてやってる ってェのによォォ~~」 ギアッチョの糸より細い堪忍袋の緒は音も立てずに切れた。 「ホワイト・アルバム」 ギアッチョがその言葉を口にした途端、ルイズの部屋は北極の海にでも 投げ込まれたかのように急激に冷え始めた。 ビシィッ! 窓が凍る。 ビシィィッ!壁が凍る。 ビシビシィッ!!絨毯が凍り、 ビキキキキッ!!シーツが凍り始めたところで、 「さ、さささ寒ッ!!?」 ルイズはようやく眼を覚ました。 「ようやくお目覚めかァ?お嬢様」 「なななななッ!何してんのよあんたはァーーーッ!!危うく二度と起きられ なくなるところだったじゃないッ!!」 「別にいいじゃあねーか そうなりゃ二度と早起きしなくて済むんだぜ それによォ これでおめーは『起きなきゃ殺される』って事が理解出来た わけだ 明日からはちゃんと目覚められるんじゃあねえか?ええおい」 ギアッチョの詭弁にもなっていない発言にルイズがブチキレかけた時―― バガンッ! ドアを開けたとは思えないような音を立ててキュルケが部屋に入ってきた。 「何やってるのよあなた達ッ!私の部屋まで凍り始めたわよッ!!」 「このお嬢様がいくら起こしても起きねェもんでよォォ~~ 手っ取り早く 起こす方法を取ったってェわけだ もう解除はしてある 安心しな」 勢いで飛び込んできたもののギアッチョは正直怖い。キュルケは怒りの 矛先をルイズに向けることにした。 「ああそう・・・それにしてもルイズあなた何歳よ?それとも睡眠に何か こだわりでもあるワケ?生死を賭けた状況になるまで起きないなんて そうそう出来ることじゃあないわよねぇ」 「うっ、うるさい!昨日は色々疲れてたのよ!」 昨日の礼を言うどころか罵倒で返してしまった。これだから私は、と ルイズは内心自分が情けなくなる。 「やれやれ、それじゃあ私は部屋に帰るわ。明日はこんなことになる 前に起きてよね」 そう言い残してキュルケは去って行った。 「ギアッチョ!あんたのせいよ!」ルイズはギアッチョをキッと睨む。 「あんたは今日から雑用だからね!まずは私の服を着替えさせてそれから ――、って!どこ行くのよッ!!」 ルイズが気付いた時にはギアッチョは既にどこかへ行ってしまった後だった。 「あのダサ眼鏡・・・どうやら使い魔としての自覚が足りないようね・・・! 私の従者としての立場を教育してやる必要があるわッ!!」 喉元過ぎればなんとやら。ギアッチョの呼び方があなたからあんたに戻って いることといい、どうやらルイズは昨日の恐怖をすっかり忘れ去って いるようだった。 あの後、結局ギアッチョは部屋に戻ってこなかった。ルイズの怒りは 収まらないようで、「せいぜい勝手に歩き回って朝食を食いっぱぐれれば いいんだわ!」と怒りもあらわに一人食堂に向かった。 食堂に入り、適当な場所を探していたルイズだが―― ドグシャアァ!! というおよそ食事をする場所では耳するはずのない音を聴いて振り返り。 そして奴を発見した。 ルイズ言うところのダサ眼鏡は―貴族専用の椅子にどっかりと鎮座し、 テーブルを殴りつけながらワケの分からないことを叫んでいた。 「テーブルマナーってよォォォ~~ イギリス式とフランス式で作法が 違うんだよォォォ~~~ スープの飲み方とかフォークの置き方とか よォーーーッ それって納得いくかァ~~?オイ? オレはぜーんぜん 納得いかねえ・・・ どういう事だッ!どういう事だよッ!クソッ!オレを ナメてんのかッ!一つに統一しろッ!ボケがッ!」 何度も殴られたテーブルは形が歪み始めたが、そんなことおかまいなしに ギアッチョは暴れ続けている。一方ルイズは、口の端を引きつらせたまま 完全に固まっていた。 数秒して我に返ったルイズが採った行動は、とにかくこの場から逃げる ことだった。「あいつが私の使い魔だってことがバレたら・・・!」と思うと ルイズの心臓は凍りつきそうだった。が、1秒後彼女の心臓は脆くも ブチ割れることになる。 「ああ~?ルイズじゃあねーか 遅ェぞご主人様よォォ~~!」 その瞬間食堂にある数十対の目が全てルイズに集まり―彼女は本気で 泣きたくなった。 「何やってんのよあんたはァーーーーーーッ!!!」 ルイズは激怒した。必ず、この横暴無比の使い魔を躾けねばならぬと決意 した。ルイズには裏社会の事がわからぬ。ルイズは、貴族のメイジである。 杖を振り、失敗を重ねて生きてきた。けれども無礼に対しては、人一倍に 敏感であった。 「見なさいよこれッ!テーブルがバキバキにヘコんじゃってるじゃないのよ! ああっ!?しかも貴族用の料理を平らげてる・・・食前の唱和すら始まって ないのに!!」 「ああ?何か悪かったかァ?こっちのルールはまだよく知らないもんでよォォ」 「このバカッ!周りを見なさいよ!誰一人食事をしてないのに待たなきゃ いけないってことがわからないの!?いやそれ以前にあんたの世界じゃ テーブルは殴り壊していいってルールでもあったわけ!?ええ!?」 物凄い剣幕である。しかも涙目。これにはギアッチョもちょっとだけ悪い事を した気分になった。 「そりゃあ悪かったな。ま・・・次からは気をつけるとするぜ」 しかしその余裕の態度が更にルイズの怒りを燃え上がらせる。 「・・・あんた 今から私の部屋を掃除してきなさい!それが終わったら 教室の掃除よ!授業が始まるまでにね!」 「ああ?」 「ご主人様には敬語を使いなさい!私が上!あんたは下よッ!!私の 事はルイズお嬢様と呼びなさい!そして常に私の後ろに控えていることッ! 良いわね!!」 そこまで言うと一瞬ギアッチョの眼が温度をなくしたように見えたが、ルイズ は負けじと睨み返した。 「・・・やれやれ 仕方ねえ・・・ 掃除をさせていただくぜェェ ルイズお嬢様 よォォー」 どうみても敬意はこもってなかったが、 「わ、解ればいいのよ!行きなさい!」 ルイズはとりあえず妥協することにした。なんだかんだでやっぱりギアッチョの 眼は怖かったようである。 前へ 戻る 次へ